seepassyouagain:

 みんな大量のテキストを書く。ビジネス文書、メール、SNS。主述がまともで助詞・助動詞がきちんと使えているだけでだいぶ印象が良い。これほどまでにたくさんの人が日常的に文章を書く時代はかつてなかった。書き言葉というのはそんなに簡単なものではない。みんな平気な顔して書いているけれど、そこには必ず差異が生じる。事務的なメールのひとつふたつで、書き手が受けてきた教育や読んできたものがあからさまに見えてしまう。資産額を額に書いてあるようなわかりやすさである。自分の文化圏を示すために有益である反面、取り繕うこともできない。着替えるように語彙を変える人間はきわめて少ない。

 生きて働いているだけでたくさんのテキストを見る。そこにあらわれた言語表現能力は一朝一夕に更新されることがない。もちろん、棲み分けもされている。クラシックな形式を好む者もあれば、あえて下品とされてきた言い回しを使って異なる世代や文化を排除する者もある。それはそれでいいのだ。問題は私が特定の言葉遣いだけを好むことである。

 私は私のように話す人とばかり話したがり、私が「気持ち悪い言葉遣いだ」と感じた相手を内心で簡単に排除してしまう。私の周辺の多様性をそこなっているのは私の言語に対する感覚だと思う。私は何を言っているか以前にどのような言葉を遣っているかで人を判断してしまう。それは良くないことだという意識がある。人柄だとか、ほかの能力だとかを、ちゃんと見なくてはいけないと思う。いい人なのだろうから、有能なのだろうから、私にはわからないけどきっと魅力的なのだろうから。

seepassyouagain:

屋根の下で眠り三食を食べ好きな仕事をして誰にも暴力を振るわれない。そんな暮らしを嘘だとどこかで思っている。今までの人生でもらった合格通知や採用通知はみんな嘘だったんだと思っている。取り交わしてきた契約書は私の知らないところで私にわからない理由で破棄されたのだと思っている。明日出勤したらセキュリティにつまみ出されるのだと思っている。帰宅したら鍵が使えず別の人が住んでいるんだと思っている。友人たちに私の記憶はなく、あらゆるサービスにログインできず、区役所には戸籍がない。それがほんとうなのだと、どこかで思っている。

(fffff9から)

folaf1987:

“他人が作ったものを受け取るだけで、ただ時間をやり過ごしていくのがイヤだったの、”

— ワイルド・エンジェル・はじめての文学 村上龍

(folaf1987から)

folaf1987:

“「違いますよ、あなたは、その女性のことをとても大切に思っているんです。大切に思う人と付き合っていくのは、楽しい事ばかりではないと思うんですよ。憂鬱な事もありますよ。大切ではなかったら、逆に簡単で、適当に謝ったり機嫌を取ればいいわけだから、憂鬱も起こらないんです。」”

— 心はあなたのもとに/村上龍

(folaf1987から)

folaf1987:

“わたしは誰かにあるいは何か集団的なものに影響されるのが嫌いだった。 わたしの周りには、ただ寂しさを紛らわすために、笑いたくないときに笑い、話したくないことを話し、聞きたくないことを聞く人々が大勢いる。 わたしはその人達のようになるのがいやだったし、その人達と親しくなるのもいやだった。”

— 『シャトー・マルゴー』とおくはなれてそばにいて/村上龍

(folaf1987から)

folaf1987:

“別れのたびに、どうして悲しくなるのか、いったいどうすれば寂しくないのか、どうすれば憂鬱や、寂寥感や、焦燥感、そして喪失感から逃れられるのかと考える、 君とずっと抱き合っていたいのか、手を握っていたいのか、話したいのか、わたしは考えるけど、そういうことではないのだとすぐに気づく、全部違う、どんなことをしても、続けるうちに飽きるに決まっている、つまり、離ればなれになるのがいやだからと、あなたを切り刻んでミイラにして保存しても意味がない、 つまり、わたしはあるとき、気がついたの、取り戻せない時間と、永遠には共存し合えない他者という、支配も制御もできないものが、この世に少なくとも二つあることを、長い長い自分の人生で繰り返し確認しているだけなのだって、わたしは気づいたの。”

— 歌うクジラ下巻/村上龍

(folaf1987から)

folaf1987:

“感じてばかりいるな、少しは考えろ”

Twitter / THE_NOVEMBERS 

(folaf1987から)

"「生き続ける理由」なら、彼女はいくらでも持っている。
けれど、彼女の場合、「生き続ける理由」は「死なない理由」にならない。"

"それはまるで子供の頃の模型店のようなあの一見雑然としながらも、木製の引き出しや ガラスケースの中に事細かに木や金属、プラスチック等の材料、モーター、トランス、プラモデルや組み立て工作の数々が整然と並んでいて、そんな中で日永一日店主としていろいろな子供たちや専門的な工作好きと話をしたり、時間の空いた時には自分も工作に熱中する、店自身は古くて小さな木造の小屋のようでも、売り場と住居は別れていて清潔で好きなものばかりに囲まれている、そんな日常を想像して勝手に悦に入っていたのです。"

in-yo:

「人間の気持ちとは可笑しいものですね。どうしようもなく些細な日常に左右されている一方で、風の感触や初夏の気配で、こんなにも豊かになれるのですから。人の心は、深くて、そして不思議なほど浅いのだと思います。きっと、その浅さで、人は生きてゆけるのでしょう」
星野道夫